―どうして、ほっぺの中にモノを入れてるんですか?

ひとつは「お得感」ですね。
こう、ほっぺが膨らんでいる分、何か得したような気分になるじゃないですか。普通の人って滅多にほっぺが膨らんでないじゃないですか。
僕は「ほっぺの膨張」という特異性によって自分自身の価値を相対的に上位に据えることを思いついたわけです。つまり、「優位性」っていう価値。こう、ほっぺが膨らんでない人達に向かって、「お前らほっぺ膨らんでないから僕より偉くない!」って堂々と言えるわけですよね。「ほっぺも膨らんでないくせに分かったようなこと言うな!」みたいな。「ほっぺ膨らませてから出直して来い!」みたいな。こうなると総理大臣よりも上位に立てるわけです。まあ、総理大臣のほっぺが膨らんでないという前提は必要ですが。
―ほっぺが膨らんでいることによって日常生活に支障をきたしませんか?

ああ、それは正直結構ありますね。
そもそもしゃべることができませんから。いまこうして話ができていることが自分でも信じられない、っていう。あと、道を歩いている時なんかは頻繁にほっぺが人にぶつかりますね。ラッシュアワーの電車とか最悪ですよ。ほっぺが人にぶつかりまくるわけですから、ほっぺが。ほっぺがですよ?これから会社に行くっていう人達にしてみれば凄く嫌なことだと思いますよ。「これから会社に行くのに他人のほっぺにぶつかっちゃった」ってのは。特に、一週間が始まる月曜日なんかにそういう事態に直面すると相当げんなりするんじゃないでしょうか。ただ、僕の方だって嫌なんですよ。自分の大切な膨らみを他人の接触によって汚されるのはね。
―いままでで、ほっぺの膨らみが最も役に立ったと感じたのは?

川でおぼれている子どもを助けたときですね。すごく寒い日で、風もものすごく強かったし、濁流と化した川には家具とか流れ出してるもんだから、非常に危険な状態だったんですよ。子どもは丸太かなんかにやっと掴まっているっていう状態だったんですが、下手に手を出すと逆に危なくてレスキュー隊も騒ぐだけで何もできなかったんです。だから、僕は岸辺から自分のほっぺの膨らみを子どもに突き出して「さあ!このほっぺに掴まれ!」って。後日、表彰されました。

―好きな童話は何ですか?

こぶとりじいさんです。


―好きな風邪は何ですか?

おたふくかぜです。
―何をほっぺに入れているのかを教えてくれますか?

参ったなあ(苦笑)
あんまり公開するようなもんじゃないんですけど。まあ、今日は特別ってことで。

赤いグルグルです。

いままで色んなものをほっぺに詰めてきましたが、これが一番しっくりきますね。
―読者のみなさんにメッセージをお願いします。

膨らむのは国家の負債、ってのが最近の流行ですが、みなさんにも是非ほっぺの膨らみの魅力について考えていただきたいですね。

みなさんも重々承知のように、ほっぺって夢の象徴じゃないですか。
ほっぺが膨らめば夢も膨らむんですよ。

ネズミ目の動物とか猿なんかは頬袋っていう邪道なツールでほっぺを膨らませるわけですが、僕ら人間には頬袋なんていう都合の良いものは備わってない。
でも、僕らにだってほっぺを膨らませる権利は生まれながらにしてあると思うんですよ。与えられた権利を享受し、正当に行使する、っていうのは当然の道理でしょう。
「最近、ほっぺを膨らませてないなあ」なんて感じている人は、この機会に、ほっぺを膨らませていただきたいと思います。
最初は空気で膨らませるだけでも良いと思うんですね。慣れてきたら、牛肉とかキャベツで膨らませてみてください。
だんだん上手になってきてスキルが身につけば、爆竹を詰め込むことも可能になりますから。
カエルを詰めるとおもしろいですよ。ただでさえ膨らむのに、さらに膨らんだりするんで。







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