6年ぶりに入院
「こんなページにパート2はいらねえよ!」でお馴染みの「入院したページ」が6年ぶりに帰ってきました。
前回は肺炎で4泊5日の入院でしたが、今回は生命の危険度がグンと上がり、救急で「気管切開」のオペが必要なほど緊迫しておりました。

そもそもは、のどがやたら腫れて呼吸がままならないので、吉祥寺にある、小さな街の耳鼻科に行ったわけです。
まあ、2日前くらいから謎の嚥下痛はあったのですが、「ほっときゃ勝手に治るだろう」という期待をユダのように裏切ってグイグイ悪化していった。で、先生が内視鏡で僕ののどを見るなり言ったセリフが、「あー、これでよく生きてますね」でした。
「これ、いますぐ紹介状書くんで、でかい病院に救急で行って下さい。一刻の猶予もないんで。家帰ってるヒマとかありえないんで。ここですぐタクシー呼ぶんで。100%で即刻入院なんで」ってことになってトントン拍子で入院をキメました。


病名は「急性喉頭蓋炎(きゅうせいこうとうがいえん)」です。
めちゃくちゃ聞いたことがない病名ですが、どんな病気かっていうのは図示すれば超簡単なので図示します。

まず、喉の構造を理解する必要があります。普通、「喉」っていうと、食べ物が通る「食道」だけをイメージしがちです。いわゆる、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」の「喉」です。ただ、実際は、喉には食道だけじゃなく気管支もあります。下の図のように、「食道と気管支をセットで喉」って理解しないと分かりにくい。

赤い部分が空気(酸素)の通り道
で、気管支の上に喉頭蓋(こうとうがい)ってのがありますね。これは、食べ物が気管支に入らないようにするためのフタです。今回はこれが細菌かなんかにやられて激しく炎症を起こし、とことん腫れたわけです。まさに、文字通り、「死ぬほど腫れた」んです。これ↓がそれを表した図です。
図のように喉頭蓋が腫れると、鼻だろうと口だろうと気管支に空気が行きません。僕が陥ったのはこの状態です。最後まで腫れ切ってたら窒息死という状態ですが、ものすっごく小さい、数ミリの切れ目のような空気の通り道がかろうじて残ってたので死にませんでした。

こうなると、鼻と口から空気を気管支に送ることは不可能なので、下の図のように直接外から気管支に穴を開けて管を通す手術(気管切開)を行います。で、こうして、のどから直接気管支で呼吸をすると、空気が声帯を通らないので声が全く出ないということになります。逆に言うと、開けた穴を指とかでふさいじゃえば声は出ます。
これが僕の病気の全てです。
まず、気管支に穴を開けて管を通す手術をする。そして、毎日ひたすら抗生剤を点滴し、のどの腫れが引くの待つ。個人差はありましょうが、僕の場合、腫れが引くのに1週間以上待ちました。そして、のどの腫れが引いたら管を外して穴をふさぐ。このようなことで2週間の入院を要したわけですが、のどの腫れは無事に引くも、実は穴が完全にふさがるのは退院後3週間から1ヶ月はかかるのでございました。


入院お絵描き
今回の入院に関してはお絵描きがある意味全てだったかもしれません。

昔はよく絵を描いたものですが、最近はまるで絵を描きたいという気持ちが薄れていました。しかし、環境がべらぼうに変わり時間ができたことによって、突発的に絵を描きたい気持ちが芽生えたので、6月4日(月)〜6月16日(土)まで毎日絵を描きました。ていうか、このページは「入院したページ」じゃなくて「入院お絵描きのページ」として完結して良いんじゃないか、くらいの勢いです。色鉛筆ってのはとことんお手軽ですね。
 

 



 



 




1枚目の「ダチョウカンス」に比べると、最後の「千手にゃん音」は4倍くらい時間かけてると思います。


退院お絵描き
とはいっても、最終日の退院お絵描きに関しては一番気合が入りました。
最後の絵なので、僕が好きな「江戸」と「ゴリラ」を融合させた絵を描きたいと思ったのであります。

下書きの時点で伸び伸び描かないとダメなので、ここは何にも縛られずに伸び伸びとイメージを落としたいところです。
花魁とゴリラを合わせて「ごりらん」です。


入院の生々しさ
入院中の生々しさを伝えようとするとエグい素材がいっぱいありますが、露骨なものを載せるのはアレですね。
こう、実際は血に絡むようなものがめちゃくちゃありますがそういうのは隠し通しましょう。

これが病室です。大きな部屋にこういうスペースが4つあってカーテンで区切られています。
はっきり言って、めちゃくちゃ快適です。

ひたすら点滴の日々。
 

声が出ないので完全に筆談です。ホステスじゃないけど筆談です。

ややエグくなりますが、これがのどに開けた穴と気管支をつなぐ管(カニューレ)です。
これはカニューレの内筒で、取り外して洗えるようになっている。
こう、僕は毎日このカニューレをしていたわけですので、つまりは、「Everyday、カニューレ」だったということです。


入院食
食べ物を見たら写真を撮る習性は完璧に身についてしまいましたので、今回の入院で食べた全35食のご飯を並べ倒してみます。恐ろしことに全35食で9,360円。1食あたり270円弱ということになります。


喉が激腫れなので流動食からスタート。重湯が不味い

 

 

ここで「三分粥」にグレードアップ

 

 

ここから全粥にグレードアップしますがまだまだお粥っぽくて不味い

 

 

 

ついに常食にグレードアップ。ご飯旨い!ここから最後まで旨いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これにしても、ここまで入院食が美味しいとは驚きました。6年前に入院した時はこんなに食事が美味しいという印象はなかったです。というか、ここは魚が頻繁に出てくるので魚好きには最高です。「孤独のグルメ」も入院食をテーマにして良いんじゃないかと思うくらい質素で隙がない旨さです。


過ごし方
入院した時点で、今回は長丁場になることが予想されたのでAmazonで江戸本をたくさん仕入れました。
ここぞとばかりに江戸知識を得たいわけです。8冊くらい読めました。

入院中はいっさい酒が飲めません。そうすると、普段3リットルとか4リットルのビールを飲んでる僕からすると、これを断てば糖分の摂りどころがなくなるわけでして、その影響で一気に甘党になります。
 
普段からグミは食べるけれども、めっちゃチョコに手を出してました。

それにしても、飲酒習慣がついてからこんだけ長いこと酒を飲まないというのは初めてのことでした。他にも、初めてのことが多すぎです。2週間の入院が初めてですし、2週間一切外に出ないのも初めてですし、オペも初めてですし、声が出なくなるのも初めてです。ビックリするくらい色んなことが初めてでした。


月額980円で映画見放題のHuluも使えました。
この視聴履歴がまんま観た映画です。
スマートホンだとこんな感じで視聴します。どこであろうと、アカウントさえあればパソコンとかでも見られるのってのがモノに依存するDVDレンタルとは一線を画すポイントだと思います。


生命の危機
それにしても、今回は状況からして僕はかなり「生命の危機」に瀕していたのだと思います。

医師が代わる代わる「もう少し遅かったら死んでた」「手術をしなかったら死んでた」「初診でスルーしてたら死んでた」と言ってましたので、そうとう死神に接近していたのでしょう。まさか、救急外来で緊急オペを受けるとは思ってませんでした。


こう、体内に炎症が起こると、血液中のCRPという数値が上がるらしいのですよ。正常な人のCRPは0.3くらいなんですが、これが5とか6になってくると入院が必要になる。そこにきて、僕が入院した時のCRPは22でしたので、よほど異常だったようです。

生まれて初めて手術を受けたのですが、死ぬほど急展開でした。何の心の準備もない。
街の医者に行ったら、「このままだと死ぬから一刻も早くタクシーででかい病院行って即手術ですな」って言われて、でかい病院行って即手術ですからね。

そして、入院したのが大学病院だから、医師(研修医)がほとんど僕より若くて、めちゃくちゃテキパキしてるの。
見るからに眼力を張った優秀そうな若い医師たちが代わる代わる診てくれるんで、こっちもこう、気持ちが張って良いテンションになる。そして、看護師も医師も含めてコミュニケーションが活発過ぎでした。誰もが僕の顔見て、どういう病気で、どういう治り具合かを把握してる感じですね。これはあからさまに組織力が凄まじいと感じました。ザックジャパンに引けを取らない組織力です。

オペは局部麻酔で受けてたので、スタッフの動きとか話し声でよく分かったんですけど、めちゃくちゃコミュニケーション取って重苦しくない感じで仕事進めてるの。ブラック・ジャックとかテレビの手術シーンの重苦しさみたいなのはまるでなかったです。


ただまあ、入院費の話はさすがにしますよね。保険込みが523,120円で、僕の負担分は188,350円。
13泊14日で19万円。この内、最初大部屋のベッドの空きがなくて、保険外の差額ベッド代が3日分2万円かかってます。
6年前の肺炎の時は個室しかなくて4泊5日で12万円だったのですが、それに比べたら安いとしても、これは確定申告で医療費控除の手続きをしないと損する額なのは間違いないことです。

ただ、僕は失われるはずだった自分の命を188,350円で買ったってことになるのかもしれない。



おわり

ポクポクライフ

部屋